私たちの体では、鉄が足りなくなると肝臓やひ臓に貯えられていた貯蔵鉄(予備の鉄)が使われていきます。この貯蔵鉄がなくなると、徐々に血液中の鉄も減少し、だるさや疲れやすいなどの症状が現れ始めます。鉄剤を服用すると血液中の鉄の量は比較的すみやかに回復するため、2週間程度の服用でも自覚症状が改善されることがあります。
しかし、短期間の服用では血液中の鉄は回復しても、貯蔵鉄はまだ補充されていないことがあります。貧血の程度や鉄欠乏の原因によって違いはあるものの、貯蔵鉄を補充するためには、6カ月から1年程度、鉄剤の服用を継続することが大切です。症状が軽くなっても当面は鉄剤の服用を継続しましょう。なお、3週間ほど継続して服用したにもかかわらず症状が改善されないときは、貧血以外の原因も考えられますので、医師・薬剤師または登録販売者に相談しましょう。