研究拠点・生産拠点
ライフサイエンスラボラトリーズ
「生物活性科学研究所」と「製剤研究所」を統合し、2024年に製剤研究所の所在地にて開設しました。当施設にはノイロトロピン統括本部とR&D統括本部(研究本部)が設置されております。
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ノイロトロピン統括本部
日本臓器製薬の主力商品であるノイロトロピンは、1950年代に注射剤として開発された生体由来の多成分からなる製剤で、「腰痛症」「アレルギー性鼻炎」「スモン後遺症状の冷感・異常知覚・痛み」などを効能・効果としています。1988年には錠剤(効能・効果は「腰痛症」「頸肩腕症候群」「肩関節周囲炎」「変形性関節症」)が開発され、1999年に「帯状疱疹後神経痛」の適応が追加されました。これまでのさまざまな基礎研究や臨床研究の成果から、ユニークな薬理作用を有していることが示されています。ノイロトロピン統括本部では社内の叡智を結集してノイロトロピンの本質に迫る研究を集中的に行い、将来の適応拡大につながる研究成果の創出など、さらなる「育薬」に挑戦します。
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R&D統括本部
新製品の原点となるR&D統括本部は、国内外の研究機関・企業からの医薬品・医療機器、再生医療等製品の候補品導入のためのライセンシング活動や、導入品・アカデミアとの協働品・自社創製品の研究開発を担います。これまでの研究部門、開発部門、事業開発部門を再編し統括した組織で、全員でテーマ・候補品を探索し、製品化を目指します。ライフサイエンスラボを拠点とする研究本部と、大阪本社、東京ラボに拠点を置く開発本部から構成されます。研究本部では化学系、生物学系、製剤学系の各専門を担う部署、開発本部では臨床開発系、統計・データマネジメント系、事業開発系の各専門を担う部署、東京ラボでは他企業・アカデミアとの共同研究開発を担う部署が協働し、医療現場のアンメットニーズを満たし当社ならではのユニークな新製品を、一日でも早くお届けできるように励んでいます。
小野緑園工場
1986年(昭和61年)に兵庫県小野市の緑豊かな丘陵地に建てられた当工場は、高度な製造・品質管理のもと、「ノイロトロピン」などの主力製品を製造する医薬品製造工場です。約10万㎡の広大な敷地内には、多くの植物が植えられており、「緑園工場」の由来となっています。
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当工場は、国際的な適性製造規範 GMP:Good Manufacturing Practice に基づき、原薬から内服固形製剤・無菌注射剤までを一貫して製造していることで注目を集め、国内外の行政当局からも適切な製造体制が評価されています。特に「ノイロトロピン」は生体材料に由来する製剤であり、有効性と安全性を確保するために、一般的な医薬品では見られない高レベルの製造・品質管理を実施しています。
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さらに、日々改正される国際的な規制や、進歩する医薬品製造技術に対応するため、当工場では国内外の製造および品質管理に関する情報を積極的に収集し、製品の品質や安全性の向上に努めています。最近では、製造機器や品質試験機器の自動化など、過去の常識にとらわれない改革も進めています。 また、「ヒトと環境にやさしい医薬品製造工場」を目指し、従業員の健康を守りながら、生産活動と環境との調和を図っています。特に、廃水処理設備や焼却炉には高性能の機器を配置し、周辺環境の保全に努めています。