本当は怖い貧血

貧血のメカニズムと症状

酸素を運ぶ正常な赤血球が鉄不足により小さくなり、貧血が引き起こります。

貧血が起こる原因はさまざまですが、その90%以上が体内の鉄不足による「鉄欠乏性貧血」といわれています。そもそも鉄欠乏性貧血は、血液の量が少なくなるのではなく、血液中の正常な赤血球が少なくなる状態を指します。この赤血球にはヘモグロビン(血色素)という成分が含まれ、体の隅々まで酸素を運ぶ役割を担っています。
ヘモグロビンを体内で作るには鉄が不可欠なので、鉄が不足するとうまくヘモグロビンが作れなくなります。鉄欠乏性貧血は、鉄不足によって酸素を運搬する能力が低下してしまう病気なのです。

貧血の90%以上が「鉄欠乏性貧血」。血液中の正常な赤血球が小さく(鉄含有量が少なく)なるために、体内で酸素を運ぶ能力が低下する病気です。

女性は生理で鉄を失うことが多く、日本人女性の約50%が鉄不足の状態で、約20%が貧血であるといわれています。月経過多の女性はもちろんですが、妊娠・産後の方は特に注意が必要です。妊娠中はおなかの赤ちゃんに鉄を供給する必要があり、さらに出産では大量の血液を失いますそして、授乳期は母乳とともに鉄が失われるので、 女性は鉄不足になりやすいといえます。

貧血は女性に多い病気なんですね。

貧血になると体中の組織で酸素不足が起こり、疲れやすい、食欲がない、気分が落ち込む、いらいらするなどの症状が現れます。続いて頭痛やどうき、顔面やまぶたの裏が蒼白になるといった症状が発症します。貧血の症状はゆっくりと進行し、体が貧血状態に適応してしまって自覚症状に乏しいケースがあります。不安な方は一度医療機関で検査しましょう。

疲労から食欲不振まで貧血の症状はさまざま。自覚症状のないケースもあるので注意するワン!

貧血が招く病気の怖さ

貧血を軽視し、治療せずに放置していると、爪がもろく欠けやすくなったり、食べ物を飲み込むのが困難になる嚥下(えんげ)障害を発症することがあります。また、貧血は酸素を運ぶ能力の低下によって起こる「低酸素症状」です。体内に酸素を供給するため、心臓がより多くの血液を循環させようとオーバーワークに陥りがちになります。その結果、心臓や脳に負担がかかり、心筋梗塞や記憶力低下など深刻な病気を引き起こしてしまうケースもあるのです。
「ただの貧血」と甘く見ずに、しっかりと対処しましょう。

貧血を放置していると、障害、さらには心筋梗塞といったもあります。

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